海外旅行につき物なのが、電源の問題ですね。「手持ちの充電器が果たして使えるのだろうか?」、そして「メモリーカードが壊れたら代替品は調達できるのだろうか?」等心配はつきません。 そこで、今回はそんな心配を解決するためのノウハウをお伝えします。
★電源はどうしたらいいの?
一番気になる問題は、「電源をどうするか」についてです。単三型の乾電池を使用するデジカメならば、現地でアルカリ乾電池などを購入する方法もありますが、旅行先がそれらを調達可能な都市部ならさほど困らないでしょう。しかし、そうとばかりは限りません。
また、単三型の乾電池を使用するデジタルカメラでは、ニッケル水素充電池が利用できます。その場合、ニッケル水素充電池(予備を含む)+充電器を持参、というのが基本です。アルカリ乾電池を調達する心配が要らない、持ちがいい、ランニングコストも気にならない。といった利点があります。
この他、電池の持ちのいいリチウムイオン充電池は、予備の電池を持参すれば、継ぎ足し充電も可能なので、ニッケル水素電池のように完全放電後でなければフル充電しないタイプではないので、旅行向けのデジタルカメラといるでしょう。
しかし、このように便利な単三型の充電池や専用の充電式の電池を現地で充電する際は次のような注意が必要です。
●まず、コンセント形状の違いから旅行先のプラグ形状にあった変換アダプターが必要となります。これらの形状ごとの変換アダプターは個々に購入することができますが、世界中のすべてのプラグ形状に対応するアダプターセットも発売されています。
●次に電圧の問題です。日本で使われている電圧は100Vですが、海外では120〜240Vと、様々な電圧が使われています。まず、自分の充電器の対応電圧を調べましょう。充電器やACアダプターに記載されている電源仕様を確認します(下図を参照)
INPUTの欄が「100V」となっていれば、日本国内専用の仕様ですから、変圧器が必要です。INPUTが「100V〜240V」とあれば、変圧器なしで使うことができます。
なお、同じ国でも、地域によってプラグ形状や電圧が異なる場合があります。また、変換アダプターや変圧器を準備をしていても、電源事情の悪い地域では電源にノイズが入りやすいため、思わぬトラブルに見舞われることがあるようです。なおさら注意が必要です。
世界各地の電圧と周波数
国名 |
電圧 |
周波数 |
日本 |
100 |
50/60 |
中国 |
220 |
50 |
韓国 |
110/220 |
60 |
アメリカ |
120 |
60 |
カナダ |
20/240 |
60 |
イギリス |
240 |
50 |
フランス |
220 |
50 |
ドイツ |
220 |
50 |
オーストラリア |
220〜240 |
50 |
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★記録メディア
とにかくたくさん撮る人は、画素数の多寡によっても違いますが、大容量のメディア(〜256MB位)があると便利です。さらに、データを移すためにノートPCを持参するというのが一番安心できます。ノートPCは撮影した写真のチェックにも役に立ちます。
「じゃ〜ノートPCを買えというのか!」ということになってしまいますね。これはあくまでも海外旅行のときのデジカメ装備と解してください。
しかし、最近はノートパソコンがなくてもデジカメデータを移せる便利な機器が出てきました。一例を示すと、下記のような持ち運びに便利なカードリーダーにメモリーカードを挿入し、ダイレクトコピーができるバッテリー駆動のポータブル・ハードディスクです。
製品は(株)バッファローの“DirectStation
POCKET”というものです。本体サイズは幅64×奥行き20×高さ98mm(突起部を除く)、重量は145g。と持ち運びには最適。各種デジカメカードに対応しており、20GBの容量があるのでへたなノートPC並の保存量を確保できます。 価格は定価で2万9600円とのこと。256MBのメモリーカードで1万2800円程度ですので、単純計算でも78倍の保存容量を有することになります。この他にも各社からこのような製品が出ていますが、この製品のいいところは、パソコンなしでも直接メモリーカードを読んでくれることです。もちろんパソコンともつなげます。
慎重派の人の中には、大容量のメディアを1枚持っていくのではなく、メディアが壊れたときのために、8〜16MB程度の容量のものを何枚も持っていくという人もいるようです。それもひとつの安全策です。
そこで結論、海外旅行には400万画素程度のデジタルカメラの場合、64MBのメモリーカードを2枚用意し、上記のような機器を携行するのがよろしいかと思います。
★その他に注意すること
●国によって、無税扱いのカメラの台数制限が違っています。 例えば、インドの場合、無税で持ちこめるのは2台まで。撮影では事前の撮影許可や料金がかかるところもあるようです。
●外務省海外安全相談センターから、トラブルをさけるために「可能な限りカメラは1台」(オーストリア)という国もあります。また、新品のカメラを包装したまま持ち込むと、転売目的と思われ、関税をかけられてしまう場合もあるので、ご注意を!
●寒冷地に行く場合は電池が早くなくなるため、保温カバーをつけたり、ホッカイロで暖める方法があります。ただし、暖めすぎても電池の寿命が短くなるので要注意です。
寒い国では、さらに結露にも注意しましょう。寒い屋外から、暖かい屋内に入ってきた場合、保温カバーからいきなり取り出さず、ゆっくりと部屋の温度に慣らしていきましょう。
トラブルは予定通りに訪れてくれません。旅行先が決まったら、官公庁あるいは書籍、インターネット等で、しっかり調べて楽しい旅をしてください。
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