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■日吉パソコン教室情報誌Vol.192 2010/06/09 号をお届けします。

2010.6.9 Wed


今号では今話題のiPadを特集してみたいと思います。さて、エプソンからインク交換の要らないプリンターが発売されました。なぜiPadの話にプリンタが出てくるのかといいますと、次のような共通点があるからです。
ただし、「インクの交換が要らない」ということと「インクが要らない」ということはイコールではないことをご承知おきください。家庭用のインクジェットプリンタのシェアは大きくエプソンとキャノンに分かれますが、両社ともプリンタはさほどの値段では販売していません。どちらかというと、tの届きやすい金額です。でも買った後のインクに要するランニングコストがばかになりません。写真印刷を続けるとすぐなくなってしまいます。「インクが少なくなっています」表示されると「インクを買っておいたほうがいいかな?」「いつ取り換えようかな?」などと内心ハラハラします。

実はプリンタメーカーの収益源は、「アフターマーケティング」としてインクを利用し続けさせることで収益を上げいるといえるのです。要は、純正インクを使い続けさせることで顧客を囲い込み、離反を防止し初期段階のマイナス(プリンタの販売価格)を回収し、利益を積み上げていくことにあります。
もう一度エプソンのインク交換のいらないプリンターの話に戻ります。このプリンターの仕組みは、内臓の大容量インクタンクにA4で8000枚が印刷可能な量のインクが入っていて、無くなったらメーカーに送りインクを補充してもらって送り返してもらうものです。カートリッジ交換に比べてCO2排出量を約96%低減できるというから、地球環境に大いに貢献できるものだといえます。現在、プリンタメーカーは再生インクメーカーとの裁判でキャノンは特許権が認められ勝訴し、エプソンは特許権が認められず敗訴した経緯があります。エプソンとしてはユーザーと直接やり取りし、量販店などを中抜きにした背水の陣をとったといえます。このようなビジネスモデルが業界をどのように動かすのかは今後の注目点でしょう。

さて、iPadはもっと大きな流れをもたらそうとしています。代表格として電子書籍です。これまで毎朝届いていた新聞がiPad1台あれば読めて、ゴミと化していたチラシも閲覧できるとなれば、新聞を束ねて回収日に玄関に出して、トイレットペーパーを一つ二つもらう慣習など無くなってしまうかもしれません。それも文化だと言えば寂しい気もしますが、地球環境に貢献できるのであれば止むを得ません。そのような観点で今回のメルマガをご覧いただければとと思います。


お知らせ:デジカメピクニックは準備期間の都合により、9月頃の実施を予定しております。プラン等は今後のメルマガでお知らせします。なにとぞご容赦ください。

1.「iPadとは」~中高年も飛びついたiPadとは何?


下記をご覧になる前に、iPadはパソコンがないと単独では利用できません。まず、最初にパソコンがないと始めることはできないのです。その点は押さえておいてください。

それでは、イントロダクションとして広島弁で吹き替えしたiPad紹介ビデオをご覧ください。広島出身の方は耳慣れた語り口かと思いますが、他の地域の方は再度翻訳がいるかもしれません。とにかく百聞は一見に如かずです。



■寸法・重さ・価格など
サイズ/重量
   高さ:242.8mm
幅 :189.7mm
厚さ:13.4mm
重量:680g(Wi-Fiモデル)
・・・Wi-Fi利用専用、入浴剤のバスロマン1缶分の重さ
    730g(Wi-Fi + 3Gモデル)
・・・外に持ち出して携帯電話を介して利用できる

Wi-Fiモデルは、Wi-Fiを利用した無線LANモデルなので、自宅や職場、あるいは公共の無線LANサービスなどを使って通信するので通信費はかかりません。
Wi-Fi + 3Gモデルは、携帯電話と同じようにどこでも通信できるのが利点ですが、通信費が別途かかります。


ディスプレイ
LEDバックライト、9.7インチ
1024×768ピクセル、解像度132 ppi
耐指紋性撥油コーティング


容量
16GB、32GBまたは64GBフラッシュドライブ


電源
25Whリチャージャブルリチウムイオンバッテリー内蔵
Wi-Fiでのインターネット利用、ビデオ再生、オーディオ再生:最長10時間
3G携帯電話ネットワークでのインターネット利用:最長9時間
電源アダプタまたはUSB経由でコンピュータを使って充電


価格
Wi-Fi
16GB・・・¥48,800
32GB・・・¥58,800
64GB・・・¥68,800


Wi-Fi+3G
16GB・・・¥61,800
32GB・・・¥71,800
64GB・・・¥81,800


販売店
●Apple Store インターネットで購入、出荷7~8営業日待ち
●SoftBank 全国主要ソフトバンク店頭(横浜ザ・ダイヤモンド、渋谷、表参道等)
●家電量販店 全国主要家電量販店(ベスト電器日吉店は未取扱)
詳しくは、http://mb.softbank.jp/mb/ipad/shop/




■操作法
パソコンにiTunesをインストールする
アップル社のiPod/iPhone/iPadなどを使うには、まずはiTunes(アイチューンズ)のインストールが必要となります。iTunesはただiPadに音楽やビデオそしてアプリケーションソフトを転送するだけのツールではなく、さまざまな情報を管理してくれる高度なデータベースソフトです。
そして何よりも大切なことは、自宅で使う場合は、無線LAN(Wi-Fi)環境を用意しておくことです。iPadはインターネットができますが、ネットワークに接続するLANポートはありません。iPadのWi-Fiモデルは、無線LAN環境が無いとインターネットにつながらないのです。楽しみも半減以下になってしまいます。


iPadをパソコンにつなぎ、自動認識させる
iPadとパソコンをつなぐと同期という作業が開始され、iTunesにあらかじめ入れておいた音楽やビデオ、写真、Bookなどがインストールできる。


iTunesで行えることは
  • iPadの設定
  • パソコンの中にある音楽やビデオの転送
  • パソコンでダウンロードしたアプリケーションの転送
  • iPadのデータのバックアップ
  • iPadの基本ソフトのアップデート


iPadのホーム画面に必要なアプリがそろっている
冒頭のサンプル画像をご覧ください。
iPadに入っているアプリケーションの、アイコン(絵の付いたボタン)が並んでいます。
アイコンをタッチすることで、さまざまな「アプリケーション」を使うことができます。パソコンのデスクトップに似ていますが、フォルダやタスクバーといった、複雑なものはありません。右クリックも左クリックもありません。やることは「指先で選ぶだけ」です。
指先を開いたり閉じたり、ページをめくったりすべて指先で操作します。
アプリケーションを利用してホームに戻るには、判りづらいですが本体下部中央にあるホームボタンをクリックします。

また、iPadは電源のON・OFFは必要ありません。携帯電話と同じようにスリープ機能が働き、使わないと休止状態になります。スリープから復帰させるときには、左上頭部のボタンを押します。


iPadに最初から入っているアプリケーションソフト
●Safari(ウェブブラウザ)
●メール(Eメールの送受信)
●写真(写真の閲覧、スライドショーの表示)
●iPod(音楽の再生)
●カレンダー(パソコン上のデータとも連携できるスケジュール帳)
●連絡先(アドレス帳)
●メモ(自由に使えるメモ用紙)
●マップ(経路検索もできるGoogleマップ)
●ビデオ(ムービー、ミュージックビデオ、ビデオポッドキャストの再生)
●YouTube(YouTubeビデオの検索・再生)
●iTunes(iTunes Storeから音楽を購入・ダウンロード)
●App Store(アプリケーションの購入・ダウンロード)
●設定(iPadの各種設定)
これだけあれば大抵のことが出来てしまいますが、後から自分の好みのものを追加するのもiPadの楽しみの一つです。



アプリケーションを追加するには
■パソコンのiTunes Storeから購入する
「iTunes」には、音楽やアプリをダウンロードできるオンラインショップ「iTunes Store」が用意されています。
「iTunes Store」の中には、アプリケーション専用コーナー「App Store」(アップ・ストア)があります。
「App Store」から、気になったアプリケーションを選んでダウンロードします。
パソコンにダウンロードしたアプリは、iPadをパソコンに接続したときに、「iTunes」からiPadにインストール(同期)されます。


■iPadのApp Storeアプリを使う
iPadには、初めから「App Store」というアプリケーションが入っています。パソコン用の「iTunes Store」のアプリケーションのコーナー「App Store」だけを分離したようなアプリで、ここからアプリケーションを選んで、直接iPadにインストールできます。



どんなアプリがあるのかな?
産経新聞HD
購読料は1,500円(30日間)。無料体験あり(期間限定)!
一面からテレビ欄まで実際の紙面そのままのレイアウトで読め、毎朝午前5時に当日のデータが用意される。Wi-Fiを利用しデータをダウンロードした後は、通信環境のない場所でもiPadで新聞が読める。電車内で新聞を広げてひんしゅくを買うこともなくなるし、大量の紙ごみが出なくなるのがいい。


i文庫HD
文庫HD は青空文庫の文学作品などを快適に読むためのiPad専用アプリケーションです。まるで紙の本を読んでいるかのようなインターフェイスにより、リアルで快適な読書を楽しめます。
iPadを横向きに持つと見開き2ページを表示し、ページの「めくり」も再現。紙の書籍を読んでいるときと同じような感覚で読書が楽しめます。
内蔵書籍は、太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、宮沢賢治、夢野久作、小林多喜二など著名な作家の代表作や絵本など、230冊を内蔵書籍として収録。
i文庫HDをインストールするだけですぐに読書を始めることができ、8000を超える青空文庫の作品を随時、追加ダウンロードして読むことができます。
ソフト料金は700円。



Evernote
考えたり、見たり、経験することの記録。テキストを入力する。ウェブページを保存する。写真を撮る。スクリーンショットを撮る。Evernote は全てを安全に保存してくれます。
記録したものは全て自動的にインデックスを作られ検索可能になります。画像内の印刷や手書きのテキストも魔法のように検索可能にします。
記憶しておくべき考えやアイデア、ひらめきを一ヶ所にまとめ、仕事に、遊びにそして関心があること全てにEvernote を使うのです。iPadのように手元に置いて利用するツールだからとても役に立ちそうです。
もちろん、パソコンでも利用できるサービスなので、興味のある方は回をご覧ください。
 EVERNOTE http://www.evernote.com/about/intl/jp/



iFish Pond Hd
池に泳ぐ鯉がとてもきれいです。ます、無料版を試してから気に入ったら300円の有料版を購入してください。
有料版は蓮の葉を浮かべたり、とんぼを飛ばしたり、カエルが泳いだり釣りもできます。
実際にプレーしている動画を見ることができます。

 http://www.youtube.com/watch?v=nkotiLyHTOE

まだまだ沢山のアプリがありますが、きりがないのでご紹介はこれまでとします。今後も数え切れないほどのアプリが出てくることでしょう。とくに女性向けのアプリが数多く出ることが期待されています。また、そのアプリを作るための学校も存在しています。

iPhoneの新型が発表されました。iPadと合わせ益々アプリ開発は需要が増える分野となるでしょう。



■各界の識者はどう見ているのか
週刊朝日の記事によると
見出しが大げさです。「中高年・パソコン難民に朗報~iPadで始めるネット生活」となっており、4名の識者がコメントを述べています。
サブタイトルでは、「一昔前にウェブの世界で迷子になってから、今も“難民”生活を続けているあなたに心強い助け船が米国からやってきた。(中略)中高年たちが「インターネットって難しい」というつぶやきから卒業する時が来たのかもしれない。」というもの。


全体を通して語られているのは、

*年輩の方でも問題なく使える。
*これまでパソコンに触れることの少なかった、子供や高齢者におすすめ。
*起動から表示までほんの数秒。たとえ老眼でも文字を大きくしやすいので大丈夫。
*電子書籍を読むためには非常に優れた端末であり、ページをめくる作業が良い。
*基本的に取扱説明書はいらない。直感的に使える。
*「こうなったらいいのにな」が現実になったのだから楽しい。
*スクリーンを直接触って文字を打ったり、絵を描くので直感的に使える。
*iPadに入れるため、紙のデジタル化が急速に進む、スキャナーも普及する。
*インターネットを敬遠してきた中高年には、ノートパソコンより安価でウェブにつなぎやすいため、パソコンが使えなかったひとでもiPadは買い。
*iPadの出現はコンピュータを一人ひとりが使える時代の序章。
*iPadをフル活用するためには、パソコンは必要不可欠。
*今年の秋口から年末にかけて複数のメーカーから類似機種が発売される。
*書籍だけでなく、動画によるニュースや音楽など情報収集の道具として良い。
*セカンドパソコンを買うのであれば、ノートよりもiPadがお勧め。



以上、手元にiPadのない状態でのリポートとなりました。私自身が試していないので何とも言えないのですが、iPad自体の可能性は無限だという気がします。
買ったはいいけどどう使おうかなぁ?などと考えている間に、世の中では瞬きの数ほどの利用法が生まれているはずです。手に入れるのは、使い方がもう少し出揃ってから、あるいは、他メーカーからも同様のもので、かつ、よりすぐれたものが出てからでも遅くないように思います。その間にパソコン教室での有効な使い方を研究しておきます。