●男だけの料理サークルは円熟味が売り物

VIPコースの仲良し3人組芹沢さん、加藤さん、中村さんのお誘いで御三方が所属する「クラブ厨房」を取材しました。

2004年2月15日午前9時半、日吉地区センター調理室、おそろいの調理帽をかぶった13人の鉄人達はすでに
エンジン全開であった。
男性だけの料理クラブと聞いていたので、口数よりも手数重視の「男は黙って!」の世界かと思いきや、
実に小気味のいい会話のやり取りが頭の上を飛び交っているではないか。

日吉地区センターは、閑静な住宅街の中に落ち着いた
佇まいを見せている。
地区センターは、地域住民が文化に親しむための拠点
として、グループ活動や個人での利用ができます。

軽快な包丁捌きの音が調理室の外にも響く。
男性だけの料理サークル「クラブ厨房」が誕生したのは
約4年前。それまであった男性のための料理教室が解消
したのを機に“料理は男の美学”と信じてやまない15人の
仲間が発足させたのが「クラブ厨房」。
月に1回第2日曜に日吉地区センターで創作料理を作り
続けている。調理室に入ると大切に使われている調理台
3台を男たちが取り巻いている光景は、中々様になっている。
パソナコンじゅく日吉教室・VIPコースのクラスメイト
のお三人。今回の取材にご協力いただきました。
いつも教室の雰囲気を盛り上げていただいています。
真ん中の芹沢さんは教室の最年長者です。
お年は?60代、70代、もう一声・・・
ご本人がおっしゃるとおり、負けず嫌いのご性分。
何をやっても一流にこなしてしまいます。
多趣味でいらっしゃいますが、社交ダンスは
お口と同様、実に軽快なステップを踏まれます。
5人づつ3班に別れ、腕前を競い合う。毎回各班ごとに
主菜・副菜・デザートのレシピを分担し、パソコンや
ワープロで作成したレシピを全員に配布します。


「とろ〜りクリーミーな石狩鍋」、「さっぱり昆布茶の
出汁がきいた浅漬け」、「ルッコラが味を引き立たせる
ウドときゅうりのサラダ」、「軽快な歯ざわりのウドの皮の
きんぴら」、「丁寧にごま油で炒めたじゃこをのせた白菜の
サラダ」も出色。デザートは「ほんのり甘くとろける舌触りの
カボチャのムース」。
調理の順序は、漬け込み時間を要する
「かぶときゅうりの浅漬け」から取りかかる。
地区センターの備品はどれもきちんと番号が付き、
所定の場所から出し、元に戻す。
レシピ担当者が前で詳細説明をする。
このときにレシピ担当者の思い入れが
鉄人達に伝えられる。
『カボチャの皮は小切にしてから皮を削ぐ。
均等に切らないと火の通りが均一に成らないので
注意してね』。
レシピ担当者が牛乳、クリーム、味噌などの
分量を量り各班に配る。
砂糖も正確に秤で・・・
個人的には甘いのが好きなので、もう一杯。
『この火見といて』

『見とくだけだよ、こぼれたら
こぼれたって言うからね』

『ジャガイモは面取り!』
『面取りじゃなくて芽を取るだよッ!』


言葉のやり取りが実に軽妙で楽しい。
少し黙っていようかな〜。
芹沢さんは、手さばきも軽快なら、口捌きも快調。
『ゼラチンはかき混ぜたら団子になる』
『注いでから少しかき混ぜる程度』
デザートはしばらくの間冷蔵庫でお休み
鮭の切り身は、一人当たり2切れが渡るようにカット。
鮭は湯引きのあと、丁寧に皮が剥けないように
鱗や汚れをとる。
ガス釜で炊く白飯は日頃慣れた
電気釜と違って難しい。
『体裁のいい石狩鍋じゃないんです。石狩地方の
牧場で出す牛乳とバターたっぷりの田舎風の石狩鍋
にこだわりたいんです。』
『白菜はさっと洗って2ミリ幅に切ってください。
テレビで見ただけで試してないが、生で食べるんだ。
おいしいよ。』
『2ミリ幅、任しといて!』
『ウドは皮を桂剥きにして中身は4等分して乱切りに』
桂剥きは中村さんの得意中の得意。
調理の過程全体を通していえるのが、手際の良さ。
料理が出来上がるにしたがって加藤さんの顔も
ほころびを増す。
桂剥きしたうどの皮は千切りに。
各班で千切りにしてくれたおかげで、
一気にきんぴらが出来上がる。
こちらは、白菜のサラダ用にじゃこを
カリカリに成るまでごま油で炒める。
『どれどれ、一口』『これがあるので止められないね〜』
牧場風石狩鍋もいい香りを放ち、出来上がり間近。
最後はバターをたっぷり落とせば出来上がり。
盛り付けは均等に。
ご飯も均等に。
デザートのかぼちゃのムースも固まり、
あとは逆さにして『よッ!』『取れないな〜』
鍋は使い終わり次第順次洗ってゆく。あまりの手際の
よさで予定よりも早めに料理が出来上がった。
どうですか、春野菜たっぷりのヘルシーメニューは。
つまみ食いをさせてくれるせいでおなかの虫も活発化。
楽しい昼食会が隣室で始まった。
次回の献立の打ち合わせが始まる。「貝柱と干ししいたけ
の炊き込みご飯」「白身魚のあんかけ又は八宝菜」
デザートは「みつ豆」とのこと、また取材に行きたくなりました。
1食あたりの費用は15人で1万2千〜3千円。
これだけリッチなときを過ごせて・・・
なおかつこの金額。お見事!
『うわー、ジャガイモたっぷりだなー』『これじゃ、ご飯
いらないなー』
後片付けも料理のうち、
全員であっという間に済ませてしまう。
なるほど、みんなの施設ですものね。
分かりやすいですね。
最後に記念撮影。13人の鉄人の勇姿(2人お休みのため)。みなさん満足の笑顔。
私も、取材だけでなく、クラブに入れてもらえればありがたいのですが、
毎回が楽しいクラブでは退部する人がいず、現在も空き待ちの方が大勢いるそうです。
皆様のご健康と益々のご活躍お祈りします。ご協力ありがとうございました。