●ついに念願の作家デビュー レギュラー活用コースのSさん(希望で本名は伏せております)が『これ!』 とおっしゃって1冊の本を差し出すのです。見ると書名に「お母さんは、地上げ屋!?」 とあり、著者は小枝うい、帯にはみのもんた氏の推薦が載ってます。どのような意味か 解せず、『これは?』と聞くと、『本、出したの』とおっしゃるではないですか。『えっ!うッそー』。 『そんな話、したことないのに』クラスのみんなも飛んできて口々に『うッそー』の連続。 『じゃー、日吉教室から作家が出たんだー』。 そうなんです。日吉教室には女流作家がいらっしゃるんです。そういえばSさんには、 授業中によく携帯がかかってきたな。 会社の経営をされているからかな〜とくらいに思っていたら、出版の打ち合わせだったんですね。 とにかくSさんは頑張り屋さんの一言がお似合いの方です。かといって片意地を張っているわけでなく、 肩の力を抜いた自然体で生きているんだな〜と感動すら与えてくれる方です。 ご自分の半生を子供たちに書き残しておきたいと思い立ったのがきっかけだったそうです。 ご自身のがんや難病を克服し、絶えず前向きに生きる姿には、熱い感動を覚えます。ぜひ 皆さんも書店で手にとってごらんの上、お買い求めください。 日吉の住吉書店で売れ行きを聞くと、『よく出ていますよ。問い合わせも多いですよ』とのことでした。 良かったですねー。 お忙しいでしょうが、次回作も期待してますので頑張ってください。 |
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おなかの脂肪がブルンブルンと波打った。 (まずい!ガンが、子宮ガンが飛び散ったらどうしよう) 赤坂先生の言葉が頭をよぎる。 「ハワイ旅行?いいですよ、行っても。まだ十円玉ぐらいの大きさだし、 進行も遅いのでしょうから。帰国後に手術しましょう」 先生にハワイに行ってもいいかどうかは聞いたが、ハワイで思いきり 走ってもいいかどうかは聞かなかった。肩を並べて走っている公代をちらっと見ると、 ハアハアと口を大きく開けてかなり苦しげだ。それでもスピードをゆるめようとは しない。なんとか八時までにホテルにたどりつかかねば。と必死の形相だ。 歩こうなんて、とても言えない。 桜葉ひな子は、おなかの揺れを最小限にとどめるべく、 下腹を両手でしっかり押さえた。 下痢になって、あわててトイレを探し回っているように見えなくもない。 しかし、かっこうなんて気にしている場合ではない。ひな子にとってガン細胞が 散らばるのを阻止することのほうが大切だった。 走ったらガンが広がるという話は聞いたことはないが、できるだけ刺激しない方 がいい気に決まっている。 パートのおばさんから猛烈仕事人間、そして余生請負人へ。 子宮ガン、複視を克服し、今も走り続ける桜葉ひな子の物語をここから始めよう。
小枝うい 1943年 サイパンに生まれる。 現在、放送大学教養学部にて受講中。 ますます向上心旺盛である。 (有)アースワーク代表取締役 |
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松井秀樹や爆笑問題の本と並んで目立つ場所に | 快く取材に応じてくれた住吉書店、教室は30m先 | ||||||||